前に「ペルシア語を学んでいました」ということを書きましたが、その直接のきっかけになったのがイラン旅行。もう8年も前の話です。
普通、イランなんて旅行で行こうと思う対象じゃぁないよな。
金髪水着美女がうようよいるような素晴らしいビーチリゾートがあるわけでもないし。
死ぬまでにこれを本場で食べておきたい!というような名物料理があるわけでもないし。
でもホントに行ったんですよ。
割と気軽なノリで「そうだ、イラン行こう」って企画して。
思い立つまではホントに「ノリ」だけだったんです。
で、どうやって行くかって言うと(実は今は状況が全然違うんですが)これまた想像を絶する程大変で、まず入国するためのビザが大使館に行っても取れない。
厳密に言うと、旅行するためのツーリストビザが取れなかったんです。
ビザ取れなくてどうやって旅行すりゃぁいいんじゃ?って話になりますが、どうしても旅行したいのであればトランジットビザを隣国のパキスタンとかで取得してイランに入り、陸路でトルコ、もしくは海路でクェートとかへ抜けるという、ジョセフ・ジョースターばりの気合い入った旅を強要される訳です。
どーでもいい話ですが、パキスタンとイランの国境あたりは大麻の生産が盛んで、治安の悪さは当時ユーラシア大陸一悪いとさえ言われていました。国境の町、ザヘダーンなんかは市民の過半数が麻薬中毒という話さえある。
愛娘の命を救うどころか、自分の命を捨てるくらいの覚悟がないと、陸路でパキスタン〜イラン入国なんて絶対やりたくないわけです。
(これは1998年当時の話。麻薬の栽培が盛んなのは今も変わってないようですけど、今現在安全かどうかの判断は自己責任でお願いしますよ)
と、大変な話だけ書いておきつつ、自分は幸運にも母親の友人がテヘランに駐在していた関係で、「招聘」という裏技(当時は招聘するの自体がけっこう特例)でツーリストビザを取得できたんですが、それでも広尾にあるイラン大使館に2回も足を運ばされるというハードルの高さ。
ちなみに2003年くらいに、日本国籍保持者であれば広尾のイランイスラム共和国大使館でツーリストビザを取れるようになったみたいです。
さらに、ビザが大変なら航空券の手配もこれまた大変。
イランエアーっていう、これまた超マイナーな航空会社を利用しての旅だったんですが、飛行機に乗ってて「死ぬかも」と思ったのは後にも先にもイランエアーだけでした。
基本的に直行便は週一便のイランエアーしかないし、他の航空会社もアエロフロートでモスクワ経由とかしかない。何時間かかんねん!みたいな。
とまぁ前置きがながーくなりましたが、そんだけ苦労してイランという国に僕は行きました、ってことが言いたかったんですよ。
でも行ってみたら、これまた本当にいい国なんです。
イラン人て、上野公園で違法テレカ売ってるイメージしかありませんでしたが、この旅行でそのイメージが完全に払拭されました。
イスラム教国なのでお酒が飲めなかったりタバコも吸えなかったり(注1)、女の子とデートもできなかったりと、どっちかというと住みたい国ではないですが、旅行で訪れたりビジネスで行く分には僕にとって間違いなく「楽しい」国です。
そのイランがここ数日、核関連のニュースで賑わってるのが気になるところ。
asahi.comのニュースより。
イランのアフマディネジャド大統領は11日夜(日本時間12日未明)、北東部マシャドで演説し、濃縮ウラン製造に成功したと宣言し、「核技術保有国の一員となった。歴史的偉業だ」と語った。
これに先立ち、アガザデ原子力庁長官は、中部ナタンズの施設で9日に3.5%の低濃縮ウランの製造を開始したと発表。濃縮ウランの前段階にあたる六フッ化ウランガスを110トン製造したと明らかにした。
あくまで「平和利用に限定」とのことではあるものの、報道されている通りに読み取れば核兵器への転用も可能な技術をイランが保有していることが宣言されたということですね。
これを受けて、USは当然のように
マクレラン大統領報道官は11日、「イランの現政権は国際社会と信頼を築かなければならないのに、間違った方向へ逆行している。挑戦的な行動や声明は政権と国民をさらに孤立させるだけだ」
とかいうことを即刻言っているみたいですが、この辺が「中東=テロリストの国」という単細胞な思考でしかモノを考えられないUSのアホさ加減がにじみ出ていていやーな気分になるのですよ。
マクレランとかさ、一回でいいからイランのど田舎に行ってみろよ。
それも専用機でぴゅー、っと行くんじゃなくて、テヘランからバスで。
基本的に産油国なので、イラン国家の財政状況は決して悪くないが、それでも都市部をはずれた小さな町では未だ電気や電話、水道といったインフラが未整備で、途上国の香りが漂うところが数多ある。
そういう町に住む国民の為に、普くインフラサービスを提供するための政策や方針を考えて実行するのは施政者としてあるべき姿だし、原子力はそのためにイラン国家が採った一つの選択肢だ。それを「核兵器に転用できるから」という理由だけでゴチャゴチャ言うのは内政干渉以外の何ものでもない。
どうせ石油はいつか枯渇するんだから、全世界的に代替エネルギーは模索するべき。でも原子力はNG、と文句をたれるのであれば、太陽光エネルギーだったり地熱エネルギーとか、さらなる代替案を提示するとか、技術提供するとかが正しいんじゃないの?
テレビにブッシュとかマクラレンとか映るだけで、実に不愉快だ。
そもそもさ、「イラクに大量破壊兵器がある」という誇大妄想からあんな戦争まで起こしておいて、肝心の兵器は見つかってないじゃん。
ブッシュは否定しているけど、イランを攻撃するとかいう情報まで出回っているらしいし。
USのジャイアニズムで、また戦争になるのかと思うとホントうんざり。
自分のことしか考えてないで、一瞬でいいから相手の立場で考えてみればいいのにな。
あ、これはU.S.はもちろん、イランもか。
(1) タバコを吸っちゃダメってことはない。街角で普通に売ってるし。けど、厳格なイスラム法の下で喫煙は「非推奨」。友達になったイラン人に「僕の目の届くところでは二度と吸うな」と言われたこともある。 お酒は「絶対禁忌」で、イラン国内ではとある例外地区を除き売ってすらいないので、喫煙は飲酒に比べればだいぶゆるい
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